赦し。

ボサッとしてたらあっという間に夜でした。

朝イチからずっとイライラしてたから、秘技「寝てごまかす」戦法を使ってみたけど、思ったほど効果なかった。目が覚めてもやっぱりイライラ継続。

せっかくだから誰もいない夜の公園で赦しの音楽を聴こうか。

赦しの音楽、といえば長いこと『フィガロの結婚』の『Ah Tutti Contenti』だったんですけども──サリエリも《真の赦しに満ちていた》っていってるし──、最近はバーンスタインのマーラー急浮上。昨日に引き続きでアレだけど、5番4楽章は世界が淡い薔薇の香りで満たされる。

フィガロの結婚(マリナー指揮・映画のワンシーンだけど)
http://jp.youtube.com/watch?v=tTfiboMetpY

この動画の50秒くらいから。あくびしてんじゃねえぞ、皇帝め!!

マーラー交響曲5番4楽章(メーター指揮)
http://jp.youtube.com/watch?v=duSL3y2LASI

人妻・マーラー・吉田修一といえば僕の三大食わず嫌いだったのに、いつのまにか全部アリになってきた。いや、アリになっただけで別にどうこうってわけじゃないですが。

だけど夜中にひとりでフラフラ、公園のベンチで音楽聴いていると必ず食らうんだよね、職務質問。

面倒くさいのいやだし、しょーがないからふたたび「寝てごまかす」戦法にチャレンジ。

早起きできたら海に行こう。

音楽のラブレター。

マーラー5番の4楽章、これはすごい曲。

今日、外で聴いて腰抜けるかと思った。

なんせ《音楽のラブレター》だからね。

世界中に愛が乱れ舞い、電車から見える風景ものすごくスローモーションだった。

たどりついた新丸ビルは薔薇の香りで一杯でした。

……微妙にイライラした状態で人にあったら、やっぱり微妙にイライラしてたのが伝わってしまったみたいでサラッと指摘された。

うらなさけを悟られるのは実にカッコ悪い。

別にどうでもいいことなんだけどちょっと反省。

本日の読了本はこれ。

■ 田埜哲文『オレの塀のなか物語』
ヤンキー界のコモン・センス、『チャンプロード』の人気コーナーが一冊の本になりました。ハードコアなヤンキーたちが、逮捕されたいきさつや鑑別所や少年院での思い出話を語ってくれるのですが、どこの平行世界のエピソードだよと思ってしまうくらい、なんというかもう根本的に価値観がずれまくっていてビビります。インタビュアーとの対話形式になってますけども

──次は何をやんたんだろ

ヤンキー:やっぱ監禁と窃盗です。

──監禁!

ヤンキー:監禁といっても敵対してたギャングを車の中に押し込んで連れ回しただけなんですが。

──何もやってない?

ヤンキー:何もやってないってことは…(笑)。でも致命傷は与えてない。

 ……ね、ちょっと僕らの暮らす世界とは微妙にズレがあるでしょ? ツッコミどころ多いでしょ?

インタビューのラストは毎回必ず、「シャバに出て最初に食べたのは?」って質問で締めくくられますが、ちょっとカッコいいなと思ったのは、福島県にお住まいの秋本さんの答え。

秋本さんは高速のサービスエリアで、《とにかく腹が減ってて。早くできるものなら何でもいいって感じで》「うどんとかやくご飯定食」を頼んだそうだ。そしてその感想。

《なか(少年院)のうどんもうまかったけど、シャバのうどんはもっとうまい! 自由のダシが効いてるんです。》

 ……お前が一番ウマいよ。

レッドデータ。

また『ウィキッド』観てきました。5回目くらい?

舞台が始まるとうっかり一緒に歌ってしまいそうになるね。

あぶないあぶない。

来月も観に行こう。

今日の読了本……というかやや昨日の続き。

■ アラン・シリトー『漁船の絵』
昨日読んだ短編集『長距離走者の孤独』に収録されてました。一晩たってじんわりじんわり染みてきたんで再読。特に派手な事件おきないし、「だが断る」的カタルシスもありませんが、主人公の郵便配達員は男の中の男。僕はコイツを最高にリスペクトする!! 嫁さんに逃げられたらどうしようと不安になることがある人はどうぞ。

■『チャンプロード5月号』
ちょっとヤンキーエッセンス取り入れちゃおっかなぁーと思って購入。付録はハンパないヤン車のポストカードでした。押忍。占いページによると、双子座の僕は《GWは仲間を誘ってドライブやツーリングへ。集会もド派手なパフォーマンスで存在感をアピール。》だそうです。

……ド派手なパフォーマンスかぁ。難しいなぁ。