《隠れ家的》
ホテルやレストランの紹介記事でこのフレーズが出てくると、ちくしょう手抜き仕事で金もらいやがって……とムカムカしてくる。
もういいかげんいいでしょうよ。
そろそろライターのみなさんは《隠れ家的》に変わる新しい表現探していきましょうよ。
ついでに《知る人ぞ知る》もNGワードな。
《知る人ぞ知る隠れ家的レストラン エルミタージュ》
とか、なんだか微妙に骨折を折った回転が回る打撲を打った風味なテキストじゃね?
エルミタージュがすでに隠れ家なんだから、別にいらねえじゃんその隠れ家的というフレーズは!という気持ちにさせられてしまうわけです。
全然関係ないっすけど、「違和感を感じる」って正しい用法なのかどうかすげえ困る。
「違和感を覚える」が無難なんだろうだけど、実は「違和感を感じる」でも問題ないらしい。
でもやっぱり違和感を覚えてしまう。
うーん。
──さてさて。
昨日お友だちがご飯食べに連れて行ってくれたんですけど、これがまぁみごとな隠れ家的レストランでした。
フェロモン全開の蒼井優的ジャパニーズ美人が、これまた妖艶なエロさ全開の霜降り肉焼いてくれます。
メインの料理にたどり着くまでの過程がまたすばらしく、影までもが薔薇色でなければならぬ一幅の絵を見ているかのようなコース立て、とスタンダールを丸パクして褒めてみる。
あれほどまでに冒険心をかきたてられるプリンは食べたことない。
気まぐれな店とのことで、お金持ってりゃ入れるってワケでもないようなんですけども機会があればまたいきたいです。
……食事を堪能したあと、久しぶりに嫁以外の人間と会話をしたという喜びもあり、命がけで遊んでしまったらこれがまぁみごとな朝帰りでハイいい歳なのにもうホント何やってんだかね。
で、本日は嫁セレクトの隠れ家的レストランで食事をしたんですけど、ここもまたハンパなくいい店でした。
和素材フルキャストのイタリアンで気取りすぎず力抜きすぎず。
デイリーユース感と高嶺の花感が絶妙な加減で共存している、モテる猛禽タイプの女の子を地でいく雰囲気です。
ウニのクレームブリュレうますぎて思わずもう一皿いきたくなった。
ドルチェがほんのりバースデー仕様なのもいいでしょ?
昨日のお店は薔薇色のコース立てでしたが、本日のお店はオレンジ色っすね。
おいしいご飯で連日連夜の脳内麻薬大放出セルフトリップ祭りを楽しんだ結果としましては、《隠れ家的》という言葉は便利だな、といった感じでしょうか。
でも使うの気恥ずかしいんだよねー。
あと、「酒盗ってなんだっけ?」と聞かれ、「イカの内臓発酵させたヤツ?」と答えてみたものの、実際はカツオの内臓なんですね。イカだとただの塩辛じゃねーかとひとりで突っ込んでみるこの気恥ずかしさね。
さまざまな気恥ずかしさを抱えつつ、31歳スタートでございます。