接待。

結婚するとバレンタインつまんないっすよね。
奥さんからもらうチョコは、まぁうれしいのはうれしいんですけど。
でも、するほうもされるほうも「接待」ということを理解した上でのゴルフコンペっつーか、予告ストレートでホームランかっ飛ばすプロ野球選手の引退試合っつーか、角番では無敗の大関っつーかね。
チョコ送るほうも送られるほうも予定調和の阿吽の呼吸、イベントなんでとりあえず感がぬぐえないじゃないですか。
現にうちのお嫁さん、今年はパチものの六花亭チョコを生協の宅配で調達してたからね。
粒が不揃いだからお安くなってるんですよっ。
──同様にクリスマスもイマイチなイベントに成り下がったけど、こっちは家庭内で『貧乏クリスマス』という新機軸を打ち出して以来、まったく別次元のお楽しみイベントへと進化しました。

満腹。

うちのすぐ近くに小学校あるんですが、毎日決まった時間にラピュタのテーマ流すんですよね。
《あのちーへいせーん かーがーやくのーはー》
ってヤツです。
僕がここに引っ越してきてからもうかれこれ6年くらい?
小学校の年間授業日数がだいたい200日くらいなので200日×6年=1200回。
長期間家を空けることを考慮してもラピュタのテーマ余裕で1000回は聴かされてる。
もういいよ。
もうわかったから。
もうラピュタのテーマはおなかいっぱい。
一生分聴いた。
小学校にいるどの人間よりも多く、僕はラピュタのテーマを聴いた。
あの小学校で僕よりも多くラピュタのテーマを聴いているのは、校門にたたずむ桜の木くらいだろう。
……ここから桜の木とラピュタの木をからめてグッとくることをササッと書けるようになりたいものですが、薄汚い格好のままベランダから校庭に集まる生徒を眺めて人間がゴミのようだーと思って悦に入るのが31歳になる僕のすべて。
人間のゴミのようだ。