立食。

夕飯の食材を買い出しにスーパーへと出かけたら、精肉コーナー黒山の人だかり。
なんと焼き肉用のお肉が軒並み半額シールを添付されているではないか。
タンもハラミもカルビもロースもすべて半額。
これは見逃せない。
僕もお肉争奪戦に参加、なんとか数パックを確保した。
──しかし、実は我が家にはホットプレートがない。
張り切ってお肉買ったはいいものの、どーしよう、これ。
3秒くらい悩んで出てきたアイデアが、台所のガステーブルにフライパン置いて、そこで焼き肉すればいいのではないか、というもの。
これなら換気扇の真下だし、煙の心配しなくてもいい。
火加減の調整もお手の物だ。
必然的に「立ち食い」を強いられることにはなるが、幸いお嫁さんは池袋のホテルでカンヅメ中、この宴は僕ひとりだけのもの。
なんにも気にするこたあない。
大体、キャンプのバーベキューは基本立食じゃないか。
ダッシュで帰宅し、さっそく個人的な立食焼き肉パーティーをセッティング。
チンチンに熱したフライパンに分厚いカルビをそっと投下。
じゅわわわわわわぁっと音がして、焼き肉屋さんの芳香が立ちこめてくる。
ほどよく焼けたところでお肉をタレにくぐらせ、オンザライス。
一気にかき込む。
う、うまい。
続けてもう1枚、こんどはハラミ。
う、うますぎるだろ。
──そんなこんなであっという間に間食。
胃袋的には大満足。
ただ、やはり客観的にみてものすごく悲しい姿だったことは否めない。
ホットプレート買おう。