伝聞。

これは昔、バイト先の先輩が友達から聞いたという話しです。
その人はとあるメーカーさんの依頼を受け、「サービスの現場で起きたちょっといい話」を紹介する社内報メルマガを書いていました。
コンサル連中が得意気になって語るようなエピソード、たとえば「お客様のために業務マニュアルを破ったことが結果として出世につながった」みたいな感じの話を本やら雑誌やらからピックアップ、出典を明記しつつうまいこと800Wくらいにまとめる……のが主な作業だったそうです
最初のうちは「ちょろい仕事だなぁ」と余裕でこなしていたんですけど、回を重ねるごとにだんだんネタ切れ感あふれ出してきて、作業を進めるのに苦労するようになり。
よーし、もうこうなったら「サービスの現場で起きたらいいなと思うちょっといい話」書いちゃうぞー、と。
有り体に言えば創作っすね、感動エピソードの。
担当者に「もう御社のオーダーに応えられるようなネタがないので、いっちょ張り切って作文しますけどいいですか!」と確認してOKを頂き、それっぽくでっち上げた話を「昔、バイト先の先輩が友達から聞いたという話です」なんて感じで掲載しつつ、どうにかこうにか最終号まで乗り切りました。
いや、乗り切ったそうです。
Webで検索すれば感動のサービス体験にまつわる話なんてたくさん転がっている。
だけど情報の出どころが不明である上に真偽の程も定かではなく、そんな無責任な話を採用するわけにはいかない。
ならいっそのこと最初から全部でっち上げた方が足つかないだろうし、責任の所在も明確でいいじゃねえか。
ディズニーランドの感動接客エピソードを2chからコピペして23万部たたき売ったヤツの100万倍カッコいいぜ……とかなんとかほざいてたらしいんですけど、僕的にはどっちもどっちだと思います。