富士。

 自転車買って1ヶ月たちました。
 毎日朝イチ起き抜けに、体重と体脂肪率を計測してグラフ化しているんだけど、自転車購入後は緩やかな変化ながらも確実に右肩下がりの折れ線を形成しつつあります。
 あとそうだ、太もも!
 これがね、はっきり分かるレベルで細くなった!
 この調子でいくと、来年は東京ガールズコレクションにモデルとして呼ばれるにちがいないね。
 ──日曜日はかねてからボンヤリ計画していた、山中湖までのロングツーリングを実行しました。
 ルートは我が家から狛江方面に向かい、多摩川サイクリングロードを突っ走って是政橋へ。
 橋を渡った後は向陽台を超え、そのまま橋本駅まで。
 橋本駅からは国道413号線をぐいぐい前進し、道志村を経由して山中湖に到達するという案配です。
 事前に『ナビタイム』のルート検索で距離を測定したら、片道90キロくらいの行程。
 つーことは往復180キロか。
 往路って30〜40キロくらいは上り坂続きらしいけど、まあいけるっしょ、きっと。
 と、比較的ライトな感覚で家をスタートしたのが早朝4時30分。
 津久井湖あたりまでは快調に飛ばしてたんだけど、本格的な登坂が始まってからはペースがた落ち。
 休憩ポイントの『道の駅どうし』についたのが9時40分。

 クレソンうどんを食べ、ついでに焼とうもろこしにがっついて、再スタートを切ったのがたしか10時30分くらいだったんだけど、そこからの登坂がまさに地獄の苦しみ。
 すげえ頑張ってるのに自転車あまり進まないし、壁みたいな坂が次から次へとあらわれやがる。
 当初は坂が出現するたびに「ちょ、まてよ!」と木村拓哉さんのマネをする余裕もあったけど、次第に言葉も出なくなり、前を向いて自転車漕ぐと坂が視界に入ってツラいから、前輪と道路の白線だけをジッと見つめできるだけ勾配を意識せずにすむよう配慮してみたけど基本的には無駄。
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 うげげげげげぇっと嘔吐きまくりながら、それでもなんとか最高点の山伏トンネルに到着。
 海抜1100メートル。
 おぉ、初の1000メートル超えか。
 好きこのんでヒルクライムやるヤツはマジで頭おかしいよ。
 確実に脳内麻薬ジャンキーだね。
 山伏トンネルからようやく下り基調。
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 いきなり出現する富士山。
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 12時ジャスト、山中湖到着です。
 往路だけで休憩などコミコミ7時間30分もかかった計算だ。
 ただまあ復路はね、前半ちょっとだけ登坂すれば、あとは津久井湖くらいまでほとんど下りっぱなしだからラク……なはず。
 なのでせっかくですし、そのまま自転車で山中湖一周を楽しみました。
 一応サイクリングロードが整備されているんだけど、ところどころ途切れてたり舗装がアバウトだったりで走り心地はいまいち。
 一般道を使ったほうがはるかに快適です。
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 山中湖一周のあとは、帰路の英気を養うために『石割の湯』でザブンと一発。
 水風呂、最高に気持ちいい!
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 マッサージチェアは価値ある7分200円。
 ──予定では風呂上がりにお座敷で定食をつつき、ちょっと仮眠をとってから帰ろうと考えていたんだけど、休日の大混雑でご飯関係軒並みオーダーストップ。
 あるのは枝豆と焼イカだけという状態に絶望し、早々にその場を切り上げて食堂を探すことに。
 で、よさそうな雰囲気醸し出しまくりの店を見つけ、駐車場の金網に自転車をチェーン固定していたところ、店内からおばさんが出てきて「食事?」と尋ねてきた。
 はいそうですと答えると、「悪いけどもう閉店なんだよね〜」と一言。
 しかし、がっかりしながらチェーンを外そうとする僕を見たおばさんは
「うーん、ま、いっか。せっかくだし好きなもの食べていきなさい」
「ほんとっすか! じゃあ……お手間とらせるのも申し訳ないし、簡単にできるヤツってなんですか?」
「いいから! 気にしないで食べたいもの頼みなさい!」
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 ちょっとウルっときながら、僕が頼んだのはカツカレー。
 揚げたてカツのサクサク感とフレッシュ野菜のサラダがつかれた体に染みる。
 あますとこなく平らげ、丁寧にお礼をいって代金を支払い、コンビニでハイドレーションパックに水分をチャージしてからいよいよ帰路へ。
 いきなりの登坂を気合いで乗り越えると、そこから先は強烈なダウンヒル。
 サイコンの速度計も未知の数値を示している。
 つーか、僕ノーヘルなのに50キロオーバーとかちょっと危険でしょ。
 絶対にヘルメット買おう。←これ結論。
 スピード出過ぎて怖いので『道の駅どうし』でいったん停車。
 1時間半以上かけて登った坂も、下るときはわずか10分程度だ。
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 糖分補給にピーチとバニラのハーフ&ハーフソフトクリーム。
 心を落ち着け、再び走り出す。
 往路で僕と抜きつ抜かれつの走りをしていたFELTのロードに乗ったおねえさんが手をふってくれたり、往路で追い越したおじいさんが復路で僕を追い越し、その後わざわざ停車して「75歳! 人生これから! キミも先は長い! 頑張れ!」と唐突にアツいエールを送ってくれたり。
 久しぶりにドラマと冒険満載の一日を過ごしたなあと、心からそう思います。
 帰宅したのは20時30分過ぎ。
 夕飯のメニューはお嫁さんのカレーライス。
 人生の喜びがみっちり詰まっている味でした。
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 ちなみに走行距離は194.81キロ。
 若干ながら惜しい気がしなくもない。
 まあ、200キロ越えチャレンジはまたの機会ってことで。
 いっしょにいく?