眼科。

 眼の充血、ひどすぎる。
 痒さ極まってるし、起床したときに目やにでまぶた開かない。
 春先、スギ花粉の時期に食らってしまう症状と酷似しているため、これはもう秋の花粉症キャンペーンご当選おめでとうございますぱんぱかぱーんというのが自己診断の結果ながら、別の病気であるという不安もぬぐい去ることができない。
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 マジニになっちゃうかもしれないし(※CGです)。
 いきなり「オッパイのペラペラソース!」って絶叫するかもしれないし。
 どうでもいいけどホントに痒い。
 むしろ痛い。
 やっぱプロの判断を仰ごう。
 ということで数年前、眼精疲労ひどいときに目薬もらいにいったことがある近所の眼科へ。
 キャバ嬢の名刺なんかとごっちゃ混ぜにして机の引き出し放り込んであった診察券を探すのが最初の課題。
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 やたら多い新宿の老舗セクキャバ『スーパーエンジェル』の名刺。
 思わぬところでオッパイのペラペラソースと遭遇だ。
 そんなつわものどもが夢の跡に挟まれた状態で、うれしそうに黄ばんでいる診察券を無事発見。
 適当に着替え、寝癖もそのままにトボトボ歩いて病院まで。
 受付で症状を説明し、眼鏡はずして眼の状態を見せたら院内が「くされ神がきたぞー」「油屋の一大事じゃー」「千っ、出番だよ!」的な空気になり、それじゃあ診察の順番くるまでコチラでお待ちくださいと、待合室ではなく視力検査室みたいなところに通され、さらに僕の診察券と保険証受け取ったナースさんがものっすごい勢いでじゃばじゃば手洗いをはじめた。
 たっぷり消毒液ふりかけながら。
 え、なにそれ……地味にショックなんですけど。
 中学校で全クラスの女子から嫌われてしまったときのような心境でぽつねんと長いすに腰かけ、やべえ眼球から自転車飛び出してきたらどうしようなどと考えていると、待合室には10人近くの患者さんいたはずなのに速攻でお呼びがかかる。
 先生、けっこうイケメンだ。
「はーい、どうしましたー」
「一週間くらい前ものもらいできて、そのあと両眼そろって激しく充血して……」
「あっ、これは『はやり目』だねぇ」
 眼科の先生はそう言うと、僕の耳のすぐ下あたりを指先でグイグイ押してきた。
 いてててててててててて。
 すんげえ痛いっ!
「痛いでしょ? リンパ腫れてるもん。やっぱ『はやり目』だ」
 同じ場所を自分でも触ってみると、なるほど耳のすぐ下にコリコリとした物体が埋まってる感じ。
 腫れてるわ、確かに。
 お医者さんの説明によると、はやり目(急性結膜炎)はウイルスによって引き起こされる疾患で、かなり強力に伝染しまくるそうだ。
 学生が感染すると、登校禁止になっちゃうんですって!
 院内感染でも広がっちゃうから、疑わしい患者はとりあえず隔離するっぽい。
 本気でバイオハザードじゃねえか。
 じゃじゃーん。
 ここ数週間で僕と接触したヤツ、全員アウト〜。
 つーか誰だよ、僕にうつしたヤツ!
 ……しかし一応念のため、春先花粉症の時期に必ず同様の症状が出ており、自分の見立てとしてはアレルギー起因な気がしてならない旨を伝える。
 んじゃまあ検査してみますか、ということで猛烈にしみまくる液体を点眼して目やにを採取し、妊娠判定薬みたいなヤツでチェック。
「ラインが2本出たらウイルス起因ですので」
 先生と一緒に固唾をのんで見守るも、あらわれたのはライン1本のみ。
 すなわちウイルス関係なし。
 バイオハザードじゃなかった。
 よかった。
 ほかの人にうつってしまう心配、ないそうです。
 結局「ブタクサの季節だしね、ウイルス関係ないんだったらすぐ治るよ」とうことで、目薬を2本処方され終了。
 帰宅後点眼したところ、津波直前の潮みたいな速さで痒さが遠のいていく。
 おー、やっぱドラッグストアの目薬とはモノが違うわあ。
 いつも何度でも使えるのもうれしいですな。