──昨日の続き。
お風呂入ってビール飲んでさあ寝ますかとホテルのベッドに倒れ込んだのが9日の0時ジャスト。
……しかしまったく眠れない。
極寒ダウンヒルやスノーシェッドでのトラブルで生命の危機を感じたため脳内の変なスイッチ入ってしまったのか、目と脳がさえまくっている。
さあこまった。
明日は始発で帰京し、お嫁さんの原稿持って護国寺まで自転車漕がなきゃならないのだ。
「速く走れる自転車あれば、締め切りヤバいとき僕が原稿もっていってあげられるし!」
などとご託を並べてお嫁さんをだまくらかし、まんまとロード購入の許可を取り付けた経緯があるため「バイク便頼みなよ」などとは死んでも言い出せない。
寝なきゃ寝なきゃという気持ちがプレッシャーになってさらに目がさえ、結局一睡もできないまま4時50分にセットした目覚ましアラームを聞くこととなった。
仕方なくそのままチェックアウトして糸魚川駅まで徒歩10分。
本来は糸魚川から長岡までいって新幹線に乗るつもりだったけど、駅員さん曰く「直江津までいってほくほく線に乗り換え、終点の越後湯沢で新幹線乗った方が早いよ」だそうで。
乗り換えめんどくさいけどまあいっか、ということで越後湯沢経由で帰ることにしました。
で直江津で電車乗り換えて席に座った瞬間、脳内のスイッチ切れちゃったらしく、一瞬目を閉じてしまったくらいの感覚だったのにハッと気がつくと越後湯沢。
電車ワープ経験するの久しぶりだぜ。
新幹線は輪行定番の最後列3列シートを指定してあったので自転車の置き場に困ることなく快適そのもの。
ホッとしたら猛烈にお腹すいてきた。
よく考えれば昨日から、ご飯らしいご飯といえば富士見峠に至る道の途中で食ったうどんくらい。
あとはウィダーインゼリーとかソイジョイとかカロリーメイトとか、手軽にエネルギージャージできるものしか口にしてないもんなあ……。
弁当を買うために売店がある8号車までいくと「車内販売に出かけてますんであしからず。ちなみに先頭車両側にいるよ」みたいな張り紙がしてある。
戻ってくるのを待つ余裕ないくらい空腹だったため、車内販売のおねえさんを追いかけて新幹線を端から端まで歩き(僕の席が最後尾なんだこれがまた)、ようやくゲットした幕の内『佐渡朱鷺めき弁当』。
お値段1050円。
うまい!
容器にこびりついた食材の切れ端までもをなめ上げるようにして腹に詰め込んだ。
そして足りない!
圧倒的にボリューム不足!
同じ弁当をもう1個、いやもう2個買ってこようかどうか迷ったけど、言うても1050円だからねー。
東京まであっという間だし、ここは我慢すべきポイントだろう。
車内の電光掲示板に流れる「マラソン参加の男性急死」「パラグライダー墜落」などのニュースを見て、スポーツで結構人死ぬんだなあ……と考える間もなく眠りに落ち、気がついたら東京着。
東京駅からちょっと歩いて千代田線の二重橋駅へ。
代々木上原で小田急線に乗り換え、あとは我が家の最寄り駅まで。
輪行袋かついで帰宅したの9時50分。
どうよ、間にあったぜ!
ところがですよ、これちょっと僕は声を大にして喧伝したいんですが、お嫁さんの原稿、まだ終わってなかったんですよね。
糸魚川から始発で帰ってきたのに、肝心の原稿、未完のまま。
さすが恰幅のよさと締め切り破りのレベルだけは昭和の文豪と賞されるだけのことはある。
実に頼もしい。
で、原稿手渡されたの11時半!
あーあーあーあー。
ひょっとしてのんびり朝食とる時間くらいあったんじゃないですかね、糸魚川で。
まあ別にいいんですけどね。
原稿の遅れを自転車で挽回するという、我が家のワークスタイルにトライアスロン的な要素が取り入れられた記念すべき日だよ。
張り切って護国寺まで漕いだけどまあ当然のように12時には間に合わず、腹立たしいことにお嫁さんから「遅いよ」と言われ、こめかみピキピキさせながら帰宅です。
我が家から護国寺まで往復31キロちょい。
昨日の今日だけにちょっとキツかったんですけど、僕の絶倫っぷりを示すことができて何よりです。