4月22日。
右肩周辺の痛み、絶好調!
たぶんだけど、折れてはいない気がする。
外れてる可能性は否定しきれないけど。
気持ちは沈む一方だが、トライアスロンに向けてやらなくてはならないことが山積みだ。
専門医の診察を受けることはもちろん、レースで使う自転車も調達する必要がある。
まずは石垣在住のチームメンバーに連絡を入れ、事情を説明する。
するとチームメイトはまず島にあるすべての自転車屋を回り、レンタルできるロードレーサーがないか尋ねてくれた。
が、どの自転車屋でもトライアスロン用の予約でロードはすべて出払っていると言われそうだ。
だがマウンテンバイクなら用意できるらしい。
最悪ペダルだけ付け替えればなんとかなるか。
つぎにチームメイトは友人知人のツテをたどってロードを探してくれた。
「中学校の同級生に自転車有名人がいる。そいつのオヤジがたぶんロード持ってるから、借りられるかどうか電話して聞いてみたけど繋がんなかった。海外いってるのかも……」
「誰っすか、その自転車有名人って」
「新城幸也」
それは例えるならシューマッハの父親にフェラーリ借してくれってお願いするみたいなものだ。
仮にレンタルできたとしても恐れ多くて乗れません。
その後もチームメイトはありとあらゆる所に電話をかけ、そしてようやく「知り合いの知り合いの知り合いがロード持ってるらしい」という情報をつかみ、所有者と交渉してレンタルの許可をとってくれた。
トライアスロン参加へ、一歩前進だ。
早速ロードレーサーを受け取るため、チームメイトが運転するワゴン車で待ち合わせ場所へ向かう。
着いたのは、重機のリース会社。
巨大なダンプやショベルカーなどが所狭しとならんでいる。
ロードローラー渡されかねない雰囲気だ。
僕が挙動不審気味にちょろちょろしてると、事務所から余裕で身長190センチ以上ある男性が出てきた。
どうやら彼がロードレーサーのオーナーらしい。
そして登場したのがかなりデカいフレームサイズのキャノンデール。
2001年購入のフルアルミ車だそうだ。
しばらく乗ってなかったからという言葉通り、タイヤはひび割れチェーンは錆び、シフター&ブレーキの調整もかなりアバウトな感じだった。
ホイールもすげえ重たい。
しかし何はともあれ、ロードレーサーが手に入ったことには違いない。
気になるところは部品交換とできる限りのメンテで乗り切ればいい。
あとは医者の診断を待つのみ!
──続く。