不快。

 僕が今まで経験したなかで一番面倒くせえなあと思った修羅場は、川崎の自宅で年上の彼女とセックスしている最中、同棲してた年下の女の子が帰ってきちゃったことっすかね。
 1999年の、ちょうど今くらいの時期。あれは鮮やかに気まずかったなあ。
 この手のシチュエーションでおなじみの「ちょっと! なんなのよっ、この泥棒猫っ!」的ハードなやりとりは一切なかったけど、年上の彼女が余裕綽々でブラウスのボタン留めながら「あらっ、お邪魔してますっ〜」とけん制したのに対し、同棲してた年下の女の子が「いーえっ、ごゆっくりどうぞ!」って返してしびれ上がる緊張感だったね。
 僕はというとすっかりテンパってしまい、どうしていいのかわからなくなったすえ、ようやく捻り出した言葉が「せ、せっかくだから三人でお好み焼き食べにいこうかっ!」
 もちろん双方ガン無視。僕の提案は共産党主催のデモ行進くらい存在感なかった。
 ただね、同棲してた年下の女の子はほんと同棲してただけで別におつき合いしてたわけじゃなかったし、年上の彼女にも「僕、一緒に暮らしてる女の子いるけどそれでもいいっすか?」ってきちんと説明してましたからね。
 だから女の子二人からは一切お叱りありませんでしたよ。
 ちょこっとイヤミは言われましたけどね。
 イヤミだけじゃないか。年上の彼女からはその後「欲しい浴衣あるんだけどっ!」とおねだりがあり、金額聞かずにOKしたら2週間後に高島屋さんから7万円請求されました。赤い金魚柄のかわいらしいヤツでしたけどね。ちょっと高いっすよね。しかも3ヶ月くらいで別れちゃった。
 年下の女の子はとはなんだかんだで同棲を続けたんですが、ある日帰宅したらニッカポッカ姿のイカつい兄ちゃん連れ込んでてね。さすが男子同士、問答無用で「ハァ? なんだテメェは?」「んだとコラァ!」というステレオタイプなケンカ勃発しワンパン食らいました。ものの見事に因果応報達成っすね。僕の家だけどな。
 ──以上、このブログを閲覧している親族一同を不快にさせる自爆テロでした。今後もどんどん読みたくなくなるようなことを書いていきますのでじゃんじゃんどうぞ。