宿場。

 5月6日は9時5分にホテル前をスタート。
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 国道19号線を走って10時55分に岐阜県入りしました。
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 途中、トラック野郎御用達のオートレストランに立ち寄る。つなぎ姿にアイパーといういでたちのドライバーがカツカレー食ってるのを見て猛烈にお腹が減る。しかし先のことを考えて僕は普通のカレーライスを注文。でもいまだに「やっぱカツ乗せればよかったなあ……」と後悔してます。
 ちなみにこの日の目的は「中山道の宿場町を巡る」というもの。最近、島崎藤村『夜明け前』を読んだこともあり、物語の舞台である馬篭宿には特に興味津々。テレ東の旅番組でもよく紹介されるスポットだしね。
 ということで19号線をゴリゴリ進むんだけど思うようにスピード出せない。やけにペダル重く感じる。さすがに前日の疲れ引きずってんだろうなあって解釈してたんだけど、そうじゃなくて19号線は名古屋から延々上り基調なのであった。帰宅後にGPSのログ見たらまじでひたすら上りっぱなしだよ! おのれ木曽路め!
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 中津川駅過ぎたところから旧中山道へ突入し、14時58分に馬篭宿着。
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 クリートカバー付けてなかったら絶対に歩けない石畳の道。すげえすべるよ!
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 クマ出るらしい。
 宿場町の風情を堪能してから再出発。できれば今日のうちに奈良井宿もしくは塩尻まで走りたい。馬篭を出るとすぐにギチギチの登坂がスタートし──というか馬篭宿自体が坂の途上にあるんだけども──これがまた例によってかなり苦しい戦いでした。さすが中山道屈指の難所と呼ばれるだけのことはある。
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 15時48分、馬籠峠到着。標高やおいメートル。『世界一初恋』アニメ化には、昔、その道のプロであるお姉さんにお尻の穴を攻められた際、思いのほかすんなり指が入っちゃったもんだから「あれ? おにーさんもしかしてバイの人?」って怪しまれたことがあるこの僕もさすがに驚いたよ! すごい時代になったもんですな! アーッ!
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 峠から坂を下ると妻籠宿。そういやいつの間にか長野県なんですな。
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 名古屋から100km地点。この辺から国道19号線、ハンパなく走りづらくなる。谷あいに作られた狭い道路を、バカでかいトラックがド高速で通過しまくるのだ。wikiによると

中津川市から塩尻市の間は通称「木曽高速」と呼ばれるほど流れ(平均速度70km/h以上)が速く、トラックが多い。中央自動車道利用時との所要時間が40分程度しか変わらないこと、恵那山トンネルが割増料金で危険物積載車両通行禁止でもあることなどが理由である。多いトラックによる騒音や振動だけでなく、前車へのあおりや追突、対向車との正面衝突、違法競走型暴走族などの危険な運転(特に登坂車線区間)があり、その結果、高い死亡率・長時間の通行止めが起きている。

 ……だそうで。それでもまだ明るいうちはよかったけど、日没後はとてもじゃないけど自転車で車道なんて走れたもんじゃない。大げさな誇張など一切無く、ハンドルの横5センチくらいのところを大型車両が減速することなく走り去る。ドライバーがあくびでもしてハンドル操作誤ったら、僕、間違いなく即死。アスファルトの染み確定。仕方なく歩道を走るんだけど、尋常じゃなく路面荒れてるうえ、場所によっては歩道が側溝のふた1枚分の広さしかなくて、わりと頻繁に自転車を押し歩く必要に迫られる。
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 そしてとうとう沓掛一里塚手前で、右車線側にも左車線側にも安全に通行できる歩道が途絶えてしまった。進退窮まる、とはまさにこのこと。往くも地獄戻るも地獄。一里塚の奥に未舗装の道路があったので一縷の望みをかけてエスケープを試みるも、マウンテンバイクでも走るの厳しい山道(しかも街灯なし!)だったためあきらめて19号まで引き返す。
 野宿したほうがマシかもなあと思いながらも地図をみてみると、数キロ先に木曽福島駅があることがわかった。そこまで頑張ればきっと宿あるだろうし、輪行で19号を回避することも可能だ。これはもう腹をくくって前に進むしかねえな。ということで車列の間隙をぬって車道を爆走すると、幸いなことにすぐ歩道が復活。時速ひとけたの安全運転でのろのろ進んで20時ちょうどに木曽福島駅着。たすかったぁ……。
 駅に設置されてる観光案内の看板を見て一番近くにある宿に連絡し部屋を確保。駅から1kmも離れてない。ところが宿までの道順を尋ねたらどうにも話が噛み合わず、改めて地図を確認したところ僕が縮尺を読み違えてて、実際には駅から8km離れた場所にある宿だった。また19号走んないとダメな雰囲気。うぎゃぁ。
 歩道をチンタラ走り、宿に到着したのが20時51分。生き延びた〜って感じ。予約時に「夕飯タイム終了してるから途中のコンビニでご飯調達したほうがいいですよ」って言われていたにもかかわらず、必死になりすぎてコンビニ立ちよりを忘れてしまいました。なのでこの日の食事はお茶請けのせんべい2枚とカロリーメイト1箱。あとビール。宿の自販機ちょっと漏電してるもんだからビール買うため小銭投入するたびビリビリ痺れてかなり怖かったです。今回の宿も自転車そのまま部屋持込みOKでした。。
 ウエアを洗濯してから温泉につかり、部屋に戻って現在自分がどの辺にいるのかを確認。GPSによると木曽駒高原、標高870m付近らしかった。以前から気になってる野麦峠も結構近い。当初のプランでは塩尻経由で長野まで走って輪行帰宅するつもりだったけど、まあこんなところに投宿するハメになったのも何かの縁かもしれんしなあ。明日は野麦峠から松本まで走って、松本からあずさで輪行しようかなあ……とか考えているうちに眠ってしまいました。
 本日の総走行距離144.12km。
 確かに木曽路はすべて山の中である!