三島。

 《今私がいっぱしのスポーツマンのような顔をすれば、むかしの青白き文学青年時代の私を知っている友人たちは、ちょうど成金がむかしの貧乏を隠すのを見るのに似た、軽蔑的な笑いをもらすにちがいない。》という一文で始まる三島由紀夫氏の『実感的スポーツ論』を、もうかれこれ40〜50回は読み返している。
 あるあるネタ多すぎ。
 家のすぐ裏にあるボクシングジムと浅川サイクリングロード沿いにあるムエタイ道場のどちらに通うべきか真面目に悩んでいる今の自分と重なって仕方ないです。
 太陽と鉄の三島氏と違って、僕の場合は酸素と炭素繊維、ですけどね。
 それにしても身体鍛える→自信つく→格闘技やりたがるのは、三十路をすぎてスポーツに目覚めた運動音痴の定番コースなのであろうか。
 このままいくと僕も剣道で菊と刀の精神を獲得したあと憂国の士になってクーデター未遂で割腹自殺かもしれぬな。
 今日のところはまあそんな感じです。
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