双峰。

 同級生のテラノ君が東京出張だったので、いつもの蕎麦屋にて日本酒などいただきつつ、未達事項の100km歩行祭について打ち合わせ。決行日は来年の5月GW、場所は九州、という感じで合意したので、あと半年くらいっすかね、じっくりトレーニングしていきたいと思います。ソロで50km歩行達成が当面の目標ですな。

 とまあそんな感じで我々中年が健康トークに花を咲かせているすぐ近くのテーブルで、ヤングな男女2対2の合コンが催されておりました。本来リア充の合コンなどまったく興味ないんだけど、いかんせんすぐそばの席でわいわいやってるもんだから僕らの意思とは関係なく話、聞こえてしまう。断片的に耳に飛び込んでくる情報を整理すると、男子2名はそこそこ立派な会社の正社員。で、派遣社員の女子2名が素敵な奥さんポジ狙ってぶんぶんバット振り回してる感じ。対照的に男子サイドはややテンション低め。こないだハイエンドな合コンでけちょんけちょんにされてしまった僕としては、男子サイドの余裕っぷり勝ちIXAっぷりが実にうらやましいかぎり。

 女子サイドはあからさまに受精がっつきまくって浮き足立ってる。なにかしらの「きっかけ」を作ろうと、鬼の形相で男子サイドをヨイショする。……んだけど、悲しい事にイケメン攻略用の言葉を持ち合わせてないのがありありとうかがえる。例えば。その店の蕎麦にはね、のど越しを楽しむ細打ち麺と、風味を味わう太打ち麺の2種類があるんだけど、女子サイドは細打ち麺をオーダーしてから「蕎麦の細麺もいいけど……やっぱイケメンだよね♪」「だよね〜。○○さんと△△さんは事業所のイケメンツートップだもんねぇ〜」「だよね〜」とか下卑た掛け合いやってんの。韻踏んでDA・YO・NEとかオールドスクールすぎるし、リリックのセンスが歌舞伎町のポン引きレベル。ラーメン食べた後あとは女抱いてザーメン出して! くらい下品です。

 立場や待遇は違えども仮にも同じオフィスで仕事してる仲間同士だろうに、イケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンって、結局人の上っ面しかみてないのがバレバレで、そりゃ男子サイド、通称イケメンツートップのテンションが一向に高まらないのも無理ない話だわって思いました。イケメンはこれまでの人生でさんざんイケメン呼ばわりされてスレまくってんだから、別の言葉で違う方向からアプローチしないとハート射抜けないってことがなぜわからない! ベタだけど仕事っぷりを褒めるとかさ、いくらでもやりようはあるだろうに、ねぇ。



 結局イケメンツートップはテンション低いまま「じゃあこのあとカフェでお茶してラーメンで締めてますか」で蕎麦屋での合コンはお開きムード。以降の飲酒をやんわり拒否しつつも1次会で終了しないとこがジェントルだし、チラッと顔見たら確かにイケメンだった。

 ……などと諸々上から目線で書き連ねたけれど、結局、正直なところ、本当に腹立たしいのは、イケメンの前では超イージー、バカづき浜ちゃん大解放7連チャンで軍艦マーチモード突入右打ちカモン状態の女子チームが、僕と合コンするときは取り付く島もないくらいツンツンするの確実なかわいさだったとこっすね。きぃぃぃぃぃぃぃぃ! イケメンずるいぃぃぃぃぃぃぃぃ!  ただしイケメンに限り過ぎな世の中を是正する革命家の経理担当になりてぇぇぇぇぇぇぇ!

 ──我々健康大好き中年チームの二次会は世界の山ちゃん。「細麺もいいけど、やっぱイケメンだよね♪」を肴に銀河高原ビール(大ジョッキ)をごくごくと。手羽先ではなく銀河高原ビールを目当てにして世界の山ちゃんへと足を運ぶテラノ君まじ上級者。そして僕、実は世界の山ちゃん初上陸。きゃっ!

 胡椒ぎんぎんの手羽先と銀河高原ビール、よく合うね!