荷物に関する反省など。
ロングライドで3kg以上の荷物を背負ってるとあり得ないくらいパフォーマンスが落ちてしまうらしい。という話を聞いて、名古屋まで持参する荷物すべてをキッチンスケールで重量計測し、リュックの重さも含めてトータル2.8kgに抑えた。このマメさをギャルに向けて発揮できればもうちょいモテるかもしれんなあと思わなくもない。
ということで背中に2.8kgの荷物、サドル下に800gの輪行セットを設置しつつ、あとはジャージのポケットに財布とケータイ、ちょっとした補給食とクリートカバー、コンビニ&トイレ行くとき用のカギをぶっ込んで臨んだんだけども、僕の体力で2.8kgの荷物背負って370km走るのはちょっと無理があった、っつーのが結論です。あからさまに疲れやすいし腰にもダメージきた。痛いを通り越して痺れを感じた。あー神経圧迫されてんだろうなあ……ってビビりながらしかし我慢するよりほかないという。ぎゃふん。もうちょい、というか大幅に荷物減らさないといかんです!
今回、装備に関しては「ちょっと不要なもの持ちすぎたなあ」と思う部分も多い。たとえばドリンクボトル。ぶっちゃけ2個もいらなかった。今くらいの時期ならひとつで十分すぎるほどでした。ドリンクボトルひとつとツールボックス、という組み合わせにしておけば背中の荷物もうちょい減らせたね。あと街中に自転車を長時間放置する機会は皆無なので駐輪用のカギはひとつでいいかも。少なくとも岐阜の山奥走るのに350g×2個は過剰装備です。
そしてあくまでもリタイア時のエスケープ用、という位置づけであれば輪行袋はもうちょい薄手の軽いヤツでOKっすね。電車乗るとき用のしっかりした輪行袋は、着替えなどと一緒に局留め郵便でゴール地点に送っておけばいい。もしくは宿泊予定のホテルに先行して送っとくとか。
そんなこんなでうまいことを知恵を絞って荷物背負わずにすむ方法を考えつつ、10月くらいにまた自宅〜名古屋を、今度は20時間切り目指して走ってみたいと思います。GPSのトラブルでロスした時間を考えればわりと余裕の目標タイムである気がしなくもないけど。でも最終的には自宅〜大阪を24時間以内なので、自宅〜名古屋は16時間くらいでクリアできないと話にならない計算だよ!
そろそろローラー台導入してもいいんじゃなかろうかいいかげん!
カテゴリー: 自転車
乗鞍。
5月7日。
宿をチェックアウトしたあとGPSが衛星補足するのをぼんやり待っていたら、宿のオーナーらしきおっさんに声をかけられた。どこへ行くのかと問われたので、19号を名古屋方面にちょっとだけ戻って木曾街道に入り、ごりごりヒルクライムして高根乗鞍湖から野麦峠目指すつもりですと説明したところ渋い顔をされた。
おっさんが言うには最近木曾街道で土砂崩れがあり、ひょっとすると通行止めになったままかもしれないのであまりオススメできるルートではないとのこと。道も狭く、大型車両の往来も多くて危険だそうだ。「もし野麦峠いきたいのなら……」とおっさんはどこからともなく持ってきた道路地図を指さしながら「19号をこのまま塩尻方面に走り、薮原駅で県道に入って境峠を越えるのが確実」という。野麦峠上って余力あるのなら元来た道を引き返して乗鞍方面を目指すとか、白骨温泉で汗を流してから上高地、なんてのも面白いかもしれないね、などと魅力的なプランをあれこれ提案してくれる。
そうだそうだ。野麦峠近いっつーことは乗鞍岳も近いんだった。それはかなり興味あるな。んじゃ素直にオッサンの助言に従って、まずは薮原を目指しますか! ということで9時3分に宿をたち、教えてもらったとおり薮原で県道に突入。交通量少ない(というか皆無)ためものすごく走りやすい。標高900m越えてる場所なだけに、ところどころでまだ桜が咲いていた。
そのうち本格的な上りが始まる。境峠に関する事前情報を一切持ち合わせてないため、どれくらい上ればいいのか皆目見当つかない。が、おっさんの口ぶりからするとかなりちょろい峠であることは容易に想像できる。で、かなり油断してしゃこしゃこ上ってたんだけど思いのほかキツい。おまけに道路脇には雪残ってるくらい寒いし交通量少なすぎで逆に寂しいし!
それでもなんとか足をつかずに登り切った。標高1486mらしい。これまでに自転車で走ったことのある最高点は柳沢峠の1472mだからものすごく地味に記録更新。たいして展望良くないしほんと地味な峠だった。まああくまでもここは通過点であって目的地じゃないっすからいいんですけども。
ダウンヒルの途中発見した蕎麦屋で休憩。きのこ蕎麦を食べた。このあたりの名物である「とうじそば」なるものを食べたかったんだけど、わりと鍋要素の強い蕎麦であるせいかメニューに「注文は二人前から!」という但し書きが。なので泣く泣く断念。たぶん余裕で二人前食えるけども。
きのこ蕎麦は850円だった。1000円札で支払い、小銭受け取るの面倒なのでレジ前に並べてあった150円のよもぎモチを購入。万が一のときの補給食……のつもりだったけど店のおねえさん曰く「喉に詰まりやすいから水と一緒に食べるようにしてください」だって。こんな山奥で喉にモチ詰まらせたら泣くに泣けん。気を付けて食わねばなるまい。
モチをジャージのポケットに突っ込んでから再び走り出し、延々坂を下ってうちに乗鞍方面と野麦峠との分岐点に差しかかる。どうしようか一瞬迷ったけど、気がついたら乗鞍方面に進路をとっていた。野麦峠はまたの機会に!
梓湖到着は11時56分。
ダム怖い。けど好き。ダム施設のすぐそばに東京電力のPR館があった。でも地震の影響で当面の間臨時休館だってさ。ダム・発電所見学ツアーはかなり面白そう。頑張れ水力発電!
梓湖から乗鞍方面へと至る国道158号線はハードに走りづらい。トンネル連発するうえ、トンネル内部の路面ガッタガタ。観光バスの往来も頻繁。永遠に続きそうな上り基調。時折10パーセントを大きく超えてくるヘビーな斜度。疲れるわ。
そんなこんなで写真をとる余裕もなくぜいぜい言いながら乗鞍高原到着した勢いを借りて畳平まで上ってやんぜとテンション高めでペダル回したけど、標高1800m、三本滝ってとこから通行止めになっててそれ以上進めなかった。というか自転車で走れるのは7月から9月一杯までなんですね。凡ミスすぎるわ。
三本滝周辺ではまだスキーやってる人たくさんいて、下界との温度差をリアルに感じました。温度差と言えば、名古屋のパチンコ屋でギンギラギンにさり気なくない感じで電飾炸裂させてるのを見たときにも感じたなあ……。今の関東圏では考えられんよ。
乗鞍で食べたそぼろ弁当500円。
なんとなく乗鞍が消化不良気味に終わってしまったため、もう一泊して上高地にでも行こうかなと考えていたら地元の図書館から電話かかってきて「予約のお客さんいるから早く本返して!」って怒られてしまった。ああそうだ返却期間過ぎてわ。ごめんなさい。やっぱ東京帰んないと。
で、乗鞍から松本まで走り(トータルでペダル100回転してないんじゃないかっつーくらいずーっと下り坂だった)、自転車輪行袋に詰めてスーパーあずさに乗りました。松本→立川→登戸→小田急、の流れっすね。
車内の移動販売で釜飯を購入。売り子のおねえさん、普段は伊豆方面の列車に乗ってるけど、地震の影響で本数減っちゃったから臨時であずさ乗ってるらしい。僕が立川で下車する際、売り子のおねえさん「伊豆方面にも旅行してくださいねー」だって。よっしゃわかった次回はそっち方面にいきますわと決意を新たにしつつ、本日の総走行距離111.15kmでございます。
ちなみに2泊3日でトータル625.2km走って総上昇高度5926m、使ったお金は2万5千円というなんとも燃費のいい旅でした。
──帰宅してからジャージのポケットによもぎモチ突っ込んだままだったのに気づいたので冷たいお茶といっしょにぱくぱくと。すんげえうまかった! なるほどたしかに喉詰まりを起こしてもおかしくない粘度の高さだったっすけどね。
宿場。
5月6日は9時5分にホテル前をスタート。
国道19号線を走って10時55分に岐阜県入りしました。
途中、トラック野郎御用達のオートレストランに立ち寄る。つなぎ姿にアイパーといういでたちのドライバーがカツカレー食ってるのを見て猛烈にお腹が減る。しかし先のことを考えて僕は普通のカレーライスを注文。でもいまだに「やっぱカツ乗せればよかったなあ……」と後悔してます。
ちなみにこの日の目的は「中山道の宿場町を巡る」というもの。最近、島崎藤村『夜明け前』を読んだこともあり、物語の舞台である馬篭宿には特に興味津々。テレ東の旅番組でもよく紹介されるスポットだしね。
ということで19号線をゴリゴリ進むんだけど思うようにスピード出せない。やけにペダル重く感じる。さすがに前日の疲れ引きずってんだろうなあって解釈してたんだけど、そうじゃなくて19号線は名古屋から延々上り基調なのであった。帰宅後にGPSのログ見たらまじでひたすら上りっぱなしだよ! おのれ木曽路め!
中津川駅過ぎたところから旧中山道へ突入し、14時58分に馬篭宿着。
クリートカバー付けてなかったら絶対に歩けない石畳の道。すげえすべるよ!
クマ出るらしい。
宿場町の風情を堪能してから再出発。できれば今日のうちに奈良井宿もしくは塩尻まで走りたい。馬篭を出るとすぐにギチギチの登坂がスタートし──というか馬篭宿自体が坂の途上にあるんだけども──これがまた例によってかなり苦しい戦いでした。さすが中山道屈指の難所と呼ばれるだけのことはある。
15時48分、馬籠峠到着。標高やおいメートル。『世界一初恋』アニメ化には、昔、その道のプロであるお姉さんにお尻の穴を攻められた際、思いのほかすんなり指が入っちゃったもんだから「あれ? おにーさんもしかしてバイの人?」って怪しまれたことがあるこの僕もさすがに驚いたよ! すごい時代になったもんですな! アーッ!
峠から坂を下ると妻籠宿。そういやいつの間にか長野県なんですな。
名古屋から100km地点。この辺から国道19号線、ハンパなく走りづらくなる。谷あいに作られた狭い道路を、バカでかいトラックがド高速で通過しまくるのだ。wikiによると
中津川市から塩尻市の間は通称「木曽高速」と呼ばれるほど流れ(平均速度70km/h以上)が速く、トラックが多い。中央自動車道利用時との所要時間が40分程度しか変わらないこと、恵那山トンネルが割増料金で危険物積載車両通行禁止でもあることなどが理由である。多いトラックによる騒音や振動だけでなく、前車へのあおりや追突、対向車との正面衝突、違法競走型暴走族などの危険な運転(特に登坂車線区間)があり、その結果、高い死亡率・長時間の通行止めが起きている。
……だそうで。それでもまだ明るいうちはよかったけど、日没後はとてもじゃないけど自転車で車道なんて走れたもんじゃない。大げさな誇張など一切無く、ハンドルの横5センチくらいのところを大型車両が減速することなく走り去る。ドライバーがあくびでもしてハンドル操作誤ったら、僕、間違いなく即死。アスファルトの染み確定。仕方なく歩道を走るんだけど、尋常じゃなく路面荒れてるうえ、場所によっては歩道が側溝のふた1枚分の広さしかなくて、わりと頻繁に自転車を押し歩く必要に迫られる。
そしてとうとう沓掛一里塚手前で、右車線側にも左車線側にも安全に通行できる歩道が途絶えてしまった。進退窮まる、とはまさにこのこと。往くも地獄戻るも地獄。一里塚の奥に未舗装の道路があったので一縷の望みをかけてエスケープを試みるも、マウンテンバイクでも走るの厳しい山道(しかも街灯なし!)だったためあきらめて19号まで引き返す。
野宿したほうがマシかもなあと思いながらも地図をみてみると、数キロ先に木曽福島駅があることがわかった。そこまで頑張ればきっと宿あるだろうし、輪行で19号を回避することも可能だ。これはもう腹をくくって前に進むしかねえな。ということで車列の間隙をぬって車道を爆走すると、幸いなことにすぐ歩道が復活。時速ひとけたの安全運転でのろのろ進んで20時ちょうどに木曽福島駅着。たすかったぁ……。
駅に設置されてる観光案内の看板を見て一番近くにある宿に連絡し部屋を確保。駅から1kmも離れてない。ところが宿までの道順を尋ねたらどうにも話が噛み合わず、改めて地図を確認したところ僕が縮尺を読み違えてて、実際には駅から8km離れた場所にある宿だった。また19号走んないとダメな雰囲気。うぎゃぁ。
歩道をチンタラ走り、宿に到着したのが20時51分。生き延びた〜って感じ。予約時に「夕飯タイム終了してるから途中のコンビニでご飯調達したほうがいいですよ」って言われていたにもかかわらず、必死になりすぎてコンビニ立ちよりを忘れてしまいました。なのでこの日の食事はお茶請けのせんべい2枚とカロリーメイト1箱。あとビール。宿の自販機ちょっと漏電してるもんだからビール買うため小銭投入するたびビリビリ痺れてかなり怖かったです。今回の宿も自転車そのまま部屋持込みOKでした。。
ウエアを洗濯してから温泉につかり、部屋に戻って現在自分がどの辺にいるのかを確認。GPSによると木曽駒高原、標高870m付近らしかった。以前から気になってる野麦峠も結構近い。当初のプランでは塩尻経由で長野まで走って輪行帰宅するつもりだったけど、まあこんなところに投宿するハメになったのも何かの縁かもしれんしなあ。明日は野麦峠から松本まで走って、松本からあずさで輪行しようかなあ……とか考えているうちに眠ってしまいました。
本日の総走行距離144.12km。
確かに木曽路はすべて山の中である!