試走。

 GWの東海道走破に向けて詳細なプランを練るため、行程を4つに分けてみました。
 ■第1区間 日本橋–小田原–箱根峠–沼津(約131キロ)
 ■第2区間 沼津–夜泣石–浜名湖(約151キロ)
 ■第3区間 浜名湖–名古屋城(91キロ)
 ■第4区間 名古屋城–鈴鹿峠–京都・三条大橋(145キロ)
 それぞれの区間をどの程度の時間で走ることができるのかってのが問題で、それによって初日の宿を浜名湖にするのか、それとも名古屋にするのかも違ってくる。
 たぶんだけど、何度か走ったことあるルートを含む第一区間は休憩や諸々の補給などすべて含めて8時間かからずにいけそうな気がする。
 箱根越えも込みでの予想だ。
 天下の険とはいいつつも、距離にしてみれば15キロ程度だし、1時間あれば登りきっちゃうでしょうよ。
 しかも旧東海道を使うルートだと、斜度はキツくなるかわりに距離は10キロそこそこと大幅ディスカウントだしな。
 ……という机上の空論に確証を持たせるべく、ちょっと箱根を試走してきました。
 例によってガーミンにナビを頼み、朝9時に自宅を出発。
 ひたすら国道一号線を走り続け、あっという間に小田原周辺到着です。
 アベレージを見ると時速26キロ近い。
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 お腹すいたのでイートインできるお弁当屋さんに立ち寄り、和風ハンバーグ弁当を。
 これで580円。
 近所に欲しい名店でした。
 ついでに持参したあんパンもチャージし、箱根に向けて再びスタート。
 じりじりと標高上がっていく雰囲気がありながらもさほど苦にならず、箱根湯本駅手前の三枚橋まであっという間。
 今回は旧東海道ルートを選択したのでそのまま橋を渡り、コンビニであれこれ補給してからいよいよ登坂開始です。
 開幕早々きっつい坂が登場するけど立ち漕ぎで軽くいなす。
 ずーっと上りっぱなしなのかと思いきや意外と緩急ついてる感じで、結構走りやすい。
 あれー、こんなもんですか?
 これで10キロとか超楽勝なんですけどね。
 大したことねえな、箱根。
 ラストまでノンストップでいっちゃいますよ?
 で、20分後。
 側道に倒れ込み、ゲロ吐いてる僕の姿がありました。
 本当に吐いちゃった。
 ダウンヒルやってた人たち僕見て失笑。
 キツさの次元が違う!
 奥多摩が壁なら箱根は魔王ですよ。
 今すぐ引き返したい欲求に駆られ、引き返すための大義名分欲しいから「頼む! 雨降ってくれ! 今すぐに!」と心の中で何度も願をかける。
 もちろん降りません、そう都合良くは。
 なので引き続き登らざるを得ない。
 途中で「これより七曲がり 斜度10.1パーセント」というだからなんだよ余計なこと書かなくていいよとしか思えない看板が登場し、予告通りハードな九十九折りゾーンが出現。
 左曲がりのカーブだと、内側の斜度20パーセントくらいのところを走らなきゃいけない。
 自転車を漕ぐというよりは、ギリギリの負荷で挑む筋トレを長時間続けているような感覚に陥る。
 腹筋やってて「も、もう限界……」という地点からさらに1回頑張るときのつらさが永久に続く様を想像してみてくださいよ。
 ゲロ吐くのも仕方ないってもんですよ。
 結局、トータルで4回足も足を付いてしまい、それでもなんとか最高点に到達。
 つかの間のダウンヒル中、涙ボロボロ流しながら「もう二度とこないもう二度とこないもう二度とこないもう二度とこないもう二度とこないもう二度とこない」とつぶやきまくりでした。
 最後に補給したコンビニのところから、峠を越えるまで1時間15分くらいかかったよ。
 芦ノ湖について自転車おりた瞬間、両足の太ももがビックンビックンいいながらつってしまい、思わずその場にへたり込む。
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 だけど自宅を出てからここまで6時間20分。
 悪くない数字だと思う。
 そして芦ノ湖から三島まで標高差800メートル総長18キロを一気にダウンヒルして、三島から沼津までは緩い下りで約10キロ。
 おそらく1時間はかかるまい。
 ということは、日本橋から沼津まで7時間そこそこで到達できるのか。
 机上の空論を上回る好タイムじゃないか!
 深夜0時に日本橋を出ると、7時に沼津着。
 ご飯がてら30分休憩して、7時半に再スタート可能ってことっすね。
 いいじゃないかいいじゃないか。
 続く沼津–浜名湖の151キロを、アベレージ24程度で走れば休憩込みでも8時間くらい?
 遅くても16時には浜名湖着か。
 そこから名古屋城までの91キロをアベレージ20で走って休憩込みで6時間とすると、22時に到着する見込みだ。
 日付をまたぐラインギリギリなので宿の手配とか微妙っちゃー微妙だし、無難に考えれば初日は浜名湖で1泊するのが正解なんでしょうけどね。
 現状の思いつく問題点としては、まず箱根を登り切ったあとの回復について。
 これは三島までのダウンヒルで足休めてれば大丈夫かなあ……。
 そして箱根を超える時間帯、というのも懸案事項。
 街灯一切ないあの峠を、日の出前にひとりで走るのは怖すぎるよ。
 怖いと言えば、第2区間の夜泣石もヤバい。

箱根峠・鈴鹿峠とともに、東海道の三大難所と言われる、静岡県掛川市の小夜〔さよ〕の中山峠。この界隈で13c以前、通行中の妊婦が山賊に斬り殺されたらしく、但しお腹の中の赤ちゃんだけは助かり、そのまま生まれ出た。無念な母親は夜な夜な麦が原料の水飴を宿場で買い求め、その赤ちゃんを幽霊の身でありながら育てた。そのうち、村人が赤児の泣き声に気づいて、墓石代りの丸石の下を掘り返してみた所、腐乱し・白骨化した死体と、その胸で泣く子供の姿があった、――というもの。

 ここを夜に通過するのだけは絶対イヤだ。
 ──などということを気温4℃の芦ノ湖畔で缶コーヒー飲みながら考えたあとに帰路へ。
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 国道一号線をダウンヒルして、あっという間に箱根湯本駅到着。
 114.31キロメートル走って5140キロカロリー消費。
 輪行で帰宅し、その後友人と会う用事があったので再び自転車で外出。
 友人に「死人のような顔色してるね」と言われました。
 それくらいの疲労っぷりだったということですな、おほほ。
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爛漫。

 諸々、一段落。
 もちろん人生の根底にある大きな問題が片づいたわけではないんだけど、まあしかしとりあえず一段落です。
 よーし、せっかくだからひさびさに100キロくらい走っときますかっ!
 ということで目的地を選定。
 候補に上がったのは
「房総半島でうまい魚を食べる100キロ」
「三島でうまい鰻を食べる100キロ」
「奥多摩でaikoを熱唱する100キロ」
 以上3コース。
 三島と奥多摩aikoはそれぞれ箱根峠と風張峠を越えるちょっときつめのヒルクライムコース。
 一方、房総半島は基本的に海岸沿いのフラットなコースを走る感じ。
 長考したけどヒルクライムやって頭の中を真っ白にしたいというような気分ではないため、今回は房総半島を目指すことにしました。
 早速準備開始。
 予備チューブ2本、空気入れ、タイヤレバー、携帯工具、夜間用ライト、ガーミンの外部バッテリーをリュックに詰め込み、いらないだろうなとは思いつつもなんとなく輪行袋も持ち出す。
 ボトル2本に薄めたポカリを投入し、7時ちょうどにスタートしました。
 まずは久里浜港を目指してそこからフェリーという計画。
 Google mapで作成したルートをガーミンに読みこませてナビしてもらったんだけど、マジで快適すぎて泣けてくる。
 地図を確認するためにいちいち停車しなくていいから、ずーっとスピードを維持できるぜ。
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 そんなこんなで途中、キャッツの劇場横などを通過しつつ、あっという間に久里浜港着です。
 タイミングよくフェリーきてたから乗船券買って即乗り込む。
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 ターミナル内に充満していたカレーの匂いで気分悪くなるくらい空腹加速したので、船内の売店でおにぎりとアメリカンドッグを購入し、これを30秒で完食。
 フェリーの旅はわずか40分弱で終了し、11時ちょいすぎくらいに千葉県の金谷港にたどり着きました。
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 房総半島、上陸!
 だが本番はこれからだ!
 金谷港からは海岸沿いの道路を通って館山へ。
 結構アップダウンあるけど基本的には下り基調……だったような。
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 30分かからず館山へ到着し、今度は内陸部の道路を通って外房の千倉駅を目指すことに。
 あいにくの曇り空ながら、房総半島は完全にディープな春の陽気に包まれていて、着用していた冬ジャージでは暑さを感じるほど。
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 千倉駅に着いたときはもう全身汗ダラダラ状態だったから、自販機で『いろはす』買って頭からバシャーっとやりクールダウン。
 ちなみに自宅から千倉駅までの走行距離、綺麗にジャスト100キロでした。
 一息ついてから海岸線を走る『房総フラワーライン』に突入し、外房の荒波を眺めながらのんびりペースで走行。
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 お花摘みシーズン真っ盛りですな。
 ただまあしかし、この時点で猛烈にバテてました。
 久々の長距離走、前日ワクテカしすぎてあまり寝られなかった、きちんと補給していないなど要因はさまざまでしょうが、なんかこういまひとつ力が入らない。
 食事休憩を予定していた『道の駅ちくら潮風王国』についても、グロッキーすぎてまったく食欲がわかず。
 仕方なくベンチに腰かけオレンジジュースで果糖を補給。
 ふと気がつくとヤバい自転車にかける鍵がないじゃないか!
 うわどうしよう、どこかで落としたかな?
 散々ポケットをまさぐってリュックの中をゴソゴソやっても見つからない。
 そりゃそうだ。
 駐輪場に止めてある自転車に鍵かけてんだもん。
 手元にないのは当然でしょうに。
 どんだけボーッとしてんだよ、僕。
 ……というくらい疲れててグロッキーな状態でした。
 が、今回のサイクリングは「ウマい魚を食べる」という部分が主軸であるため、疲れているからといってスルーするのもいかながものか。
 ってゆーか、しっかり補給しとかないと家まで帰れないぞっ!
 しかし食堂のメニューを眺めたり鮮魚販売コーナーのマトウダイにちょっかい出したりしているうちにだんだんお腹すいてきた気がする。
 これならご飯、喉通るかな?
 早速食堂の暖簾をくぐり、刺身定食をオーダー。
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 お値段1050円。
 ……うまい!
 コレはいかんよ外房の海の幸!
 ご飯の炊き加減も絶妙なり!
 喉通るかな、などと心配していた僕アホじゃねえのくらいの勢いで完食し、元気もかなり回復。
 再び自転車に乗り、フラワーラインを軽快に走行。
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 こんな感じの道がずーっと続いている。
 ムチャクチャ気持ちいい。
 走ってると脳みそヘブン状態になる。
 灯台に寄り道したりクリート靴で砂浜踏みしめてエラいことになったりしながら房総をめいっぱい楽しみ、17時ジャストに館山駅へと無事生還です。
 帰路も自走しようかと思ったけど、日没間近だし雲行きも怪しいからレッツ輪行。
 よかったよ輪行袋持ってきて。
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 袋詰めも手慣れてたもんです。
 ビーサン忘れてきちゃったから、どでかい輪行袋抱えてクリート靴で歩かなきゃいけなかったのはちょっと困りものでしたが、館山→君津→馬喰町→笹塚とちんたら電車を乗り継ぎ(待ち時間合わせると4時間半かかったよ!)、笹塚駅前からは自走で帰宅。
 本日の走行距離152キロでした。
 次回房総方面いくときは1泊2日でプラン組みたいなあと思います。
 いよいよサイクリングシーズン突入ですので、どうっすかみなさまも手始めにクロスバイクあたりから!
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 ──ガーミンは旅の軌跡も記録してくれるぜ。
 一部ログ取れてないエリアあるのが残念だけどね。
 どうやらSDカードとの相性が原因らしいんだけど……。
 要研究です。

片金。

 瀬田の交差点で信号待ちしてて、青になった瞬間クリートキャッチして即立ち漕ぎ……って思ったのにペダルの上で足がすべって片金強打。
 痛かった。
 本当に痛かった。
 血にまみれたライチがはみ出してんじゃないかと思うくらい痛かったです。
 みんなも気を付けて!