碓氷。

 日曜日の夜。
 気になる温泉があるらしく、お嫁さんが「軽井沢に行きたい!」と言う。
 正直なところ僕は今時分の軽井沢に興味ないのでつき合わされるの面倒くせええええええええええ……などと思っておりましたが、軽井沢の手前、群馬と長野の県境にある碓氷峠には興味津々。
 ここは頭文字Dでもおなじみのエリアだ。
 という話を聞いたことがあるだけで実際に読んだわけじゃないからよくわかんないけど。
 来年は軽井沢経由で直江津まで自転車漕ぎたいし、ちょっと峠の様子をリサーチしにいくのも悪くないか。
 なんだったら自転車持って行って、峠だけ走ってみるのもいいんじゃねーの?
 その旨をお嫁さんに伝えたところ
「あー、あれやるんだ、クライムヒル!」
 ちげーよヒルクライムだよ逆だよと小ばかにする感じでツッコミを入れる。
 僕がヒルクライムを楽しんでいる間、我が家の頭文字D(デブ)ことお嫁さんは軽井沢まで先行し、アウトレットモールでお買い物するということで最終的な合意が得られたため、レンタカー予約して早々に就寝しました。
 で、本日早朝。
 レンタカーに自転車積んで、長野方面に出発です。
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 前輪はずすだけで収納可能。
 輪行袋いらずなのですげえラクだ。
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 高速道路のサービスエリアでうどんを食べて登坂に備えつつ、信越線の横川駅(群馬県)で降ろしてもらう。
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 今回のスタート地点は峠の釜飯でおなじみ『おぎのや』の前。
 峠の釜飯の「峠」は碓氷峠だったんだなあ……。
 ちなみにこのあたりは江戸時代に中山道の宿場町として栄えたそうです。
 町並みに当時の面影が色濃く残っているんだけど特に写真は撮ってません。
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 カーブの数をカウントする標識なんだけど分母がわかんないからあまり役に立たず。
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 碓氷湖。
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 明治25年に作られたというめがね橋の総工費は45,987円。
 夏目漱石さんが年俸450円で高等師範学校の嘱託教師やってた時代の45,987円っすからね。
 かなり大金だな。
 まあ主な見どころはこれくらいで、あとはひたすら山道を走るまくるのみ。
 交通量すげえ少ない(夜はどうだかわかんないけどね)から空気ウマいし自動車に気を使わなくていいし野猿が公道上で堂々と日なたぼっこしてるし、なかなか気持ちいいルートだ。
 しかし如何せんヌルすぎる。
 疲労と酸欠で頭の中真っ白になる通称「スーパー解脱タイム」に突入することなく、切ないくらいあっさりと最高点に到達。
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 ところどころで写真撮ったりめがね橋でおじいちゃんと話をしたりという時間を合わせても60分かかんなかった。
 貧乳にも程があるだろ碓氷峠め!
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 あとそうだ、カーブ総数は184個でしたよ。
 ちょっと走り足りない感じだったので軽井沢駅をパスして中軽井沢駅まで進み、そこから引き返してお嫁さんと合流。
 ランチ食べてからお嫁さんが行きたがっていた『星野温泉 トンボの湯』でひとっ風呂浴び、ビールをクイッといただいてから帰宅です。
 予想以上に快適で楽しいサイクリングだったから、ぜひまたやりたい。
 私を峠に連れてって!

回避。

 長距離サイクリングいくはずだったけど昼過ぎ起床ですべて台無し。
 アサシンクリード2のせいです。
 なので夕方から日本橋の日本国道元標経由してディズニーランド周辺まで自転車漕ごうと出かけたら、246がハンパなく渋滞しててぜんぜん楽しくない!
 青山周辺とかもうぎっちぎちの交通量。
 歩道もアラブの市場かよここはっつーくらい人人人でごった返してて、とてもじゃないけど自転車でショートカットできる雰囲気ではないため、途中であきらめて引き返し、走行距離20キロで本日終了です。
 ざんねーん。
 でもあそこで引き返さなかったらこの事故に巻き込まれてたかもなあ……というくらいジャストなコース&時間だったので複雑な心境でっす。

野猿。

 山陰行ったりその他なんやかんやありまして、ふと気がつけば葛西臨海公園サイクリング以降、ちゃんと自転車のってねーじゃん!
 こりゃいかん。
 つーことで適当に装備ととのえてから奥多摩方面に向けて出発進行です。
 で、家を出てから2キロほどの地点、世田谷通りに入ってすぐのところで前輪がベロベロベロベロ変な音をたてるではないか。
 そのまま路肩に停止し、なんじゃこりゃとタイヤに顔を近づけた瞬間「パンッ!!」というデカめの破裂音とともにぷしゅうううううとパンクしてしまった。
 びっくりして「うぉっ!」と声が出てしまったんだけど、すぐそばのバス停にいた人たちもびっくりしたんでしょうね、みなさんそろってビクッってなってました。
 ほんとすいません。
 しかしゴム破れてビビるとかセックス覚えたてのころ以来だよ。
 そのまま自転車を押して歩き、見知らぬアパート前の駐車場でちょちょいとチューブ交換。
 よく見ると、パンクしてしまったチューブのバルブ、ゆるんだままだった。
 出発前に空気圧チェックした際に閉め忘れていた模様。
 これがパンクの原因かどうかは謎だけど、今後はちょっと気を付けよう。
 自宅で散々練習したおかげもあって10分程度でチューブ交換を終え、汗だくになりながら携帯ポンプをピストン運動させてタイヤをぱんぱんにふくらませる。
 とりあえず大丈夫そうなので、ふたたび奥多摩方面に向けて走行開始。
 ひさびさの多摩川サイクリングロードを経由して五日市駅へと向かい、そっから山道をぐいぐい突き進む。
 以前ビンディングペダルの威力を試しに来たときに引き返した地点をあっさり通り過ぎ、おぉ今日の僕はすげえ漕げてるなあなどと自惚れてたけど3〜4年前の今時分にお友だちたちと秋川渓谷にキャンプいった際、帰りに立ち寄った日帰り温泉施設を通過したあたりから、ゲロぶちまけてしまいそうになるマジキツな坂出現しまくりで、時速二桁をキープするのがやっとの状態に陥る。
 あまりにキツくて途中で足を付く。
 うぅ、まだまだだな、僕は。
 ガードレールに腰かけてぜえぜえいってたら、目の前の草むらで何やらガサガサしてるヤツがいるので注目したら、どでかい野猿がポンと飛び出してきた。
 リンゴの芯みたいなのを片手に、赤ら顔でこっちをにらんでやがるの。
 写真撮ろうと思ってポケットのケータイまさぐってたらふたたびがそごそ草むらに消えていったんだけど、いやーすげえな奥多摩、マジで猿いるんだねえ……。
 休憩を終えてまた自転車をこぎ始め、ツラいながらも頑張って坂を登る。
 久々に汗だくだ。
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 なんとか奥多摩周遊道路の入口に到着。
 昔は有料だったんすかね。
 すぐそばに安全運転を呼びかける看板設置されているんだけど「ここで事故すると病院に搬送されるまで最速でも2時間かかるから気を付けて」とか、内容が地味に怖い。
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 そしてまたすげえ坂なんだこれが。
 ビジュアルがヤバくて心理的にキツいよ
 この手の坂って、見た目はハードそうでも実際走ってみると「意外と余裕じゃーん!」ってパターン多いのだけれど、ここは見た目通りのキツさだった。
 冗談抜きにして、今年経験した坂で一番キツい。
 得意のaiko歌う余裕ないくらいキツい。
 テトラポット、まったく登れない。
 頭の中、完全に真っ白のスーパー解脱タイム突入で逆にちょっと気持ちいいくらいだよ。
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 時速一ケタ走行でジリジリ進み、なんとか休憩ポイント『都民の森』に到達。
 16時ちょい過ぎですでに気温5℃前後。
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 糖分補給のために食べたソフトクリーム、完全に裏目。
 一気に体温下がって奥歯カチカチいいはじめた。
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 こりゃイカンということで豚汁にしこたま唐辛子ぶち込んでイートイン!
 マズいはずがないよね、このシチュエーションで。
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 炭水化物チャージするため団子もサクッと。
 30分休憩の後、再度登坂スタートしたんだけど、もう日没なんですよね時間的に。
 一気に暗くなり、そしてまた一気に気温下がる。
 たとえ東京都とはいえ、標高1000メートル超をあなどってはイカンですな。
 風張峠まで走ってから引き返すつもりで前進を続けるも、死亡事故発生地点に供えられたいた真っ白な花束を見た瞬間、いままであまり感じたことないタイプの恐怖にとらわれ足がすくんでしまった。
 カーブを曲がった先に「いる」ような気がしてならない。
 も、もうだめだ。
 結局、風張峠手前の浅間尾根駐車場ってところで引き返し、お得意の極寒暗闇ダウンヒル。
 帰りは98パーセント下り坂なのですげえ早かった。
 ちなみに本日148キロ走行、3162キロカロリー消費でございます。
 風張峠攻略はまたの機会に!
 でも次回は奥多摩駅側から登る。
 たぶんそのほうがラクだろうし。