九死。

 早朝、お嫁さんにたたき起こされ、「飯田橋まで原稿届けて欲しい」と頼まれた。
 もちろん断れるはずもなく、起床後わずか10分の低血糖状態で甲州街道を時速35キロ巡航。
 まったく頭が回らない。
 だからビンディングはめてることを忘れてしまう。
 その結果、新宿御苑近辺で信号待ちしているときに思いっきり立ちゴケしそうになった。
 ゆーっくりカラダが車道側に倒れていくんだけど、自分ではどうすることもできない。
 あーもうこれ絶対無理。
 せめてフレームだけは守らねば。
 転倒する覚悟を決めて全身に力をいれた瞬間、自転車の傾斜角度と足の位置が功を奏したのか、勝手にビンディング外れて助かった!
 あ、危ねええええ。
 これはホントに奇跡としかいいようがない。
 日ごろの行いだねっ。
 起床してすぐハードな運動するときはバナナとか甘い缶コーヒーとか摂取しておいたほうがいいっすね、という教訓を得た2009年11月4日です。
 しかし通勤タイムの甲州街道は難易度高いね。
 トロトロ走るくせに信号無視するピストとか張り切って逆走してくる電動ママチャリとか、マジでこええよ。
 ってゆーか、信号順守してる自転車は皆無。
 みんなホント、死んでも知らないよ。

秋川。

 金曜日。
 ビンディングペダルでの100キロ走行を試してきました。
 行き先は特に考えず、50キロ前進して同じ道を50キロ引き返せばちょうど100キロじゃん!というのが今回の基本スタンス。
 ハイドレーションパックに水詰めて、まずはお馴染みの多摩サイクリングロードを目指す。
 で、睦橋を渡って五日市の駅へと到達し、そこから秋川渓谷方面に向かってダラダラ続く登坂ルート突入。
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 もうかなり紅葉きてます。
 一応この写真撮ったあたりで走行距離50キロに到達したので、どこかでご飯食べてから引き返すことにしたんだけど、もう17時近くだしこんな山奥だし、営業してる店があるかどうか、かなりあやしい感じ。
 まあしかしそれでもと、適当にお店を選んでのれんをくぐり「すいません、まだやってますか?」と声をかける。
 するとカウンターの奥で野菜を切っていたおかみさん(由紀さおり似)が顔を上げ、
「ごめんなさい、まだやってないんですよ〜」
 ……まだやってない?
「うちね、17時から営業なのよ」
 意外だ。
 つーかこんな山奥で17時から食堂営業して客なんか来るわけ?
 しかも夏のキャンプシーズンならいざ知らず、秋を楽しむにしても微妙すぎるこの時期に。
 悪いことはいわないから、早めに経営戦略見直したほうがいいよ、おかみさん。
 仕方ないからほかの店を探すか、もしくは五日市駅まで戻ってご飯食べるか考えていたところ、おかみさんが「まあもうすぐ主人が帰ってきて店開けるから、それまでテレビ観て待ってて〜」といってお茶を出してくれた。
 温かい。
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 ぼんやりニュースに見入っていると、自分とこの畑で取れた野菜でつくったというお漬け物や、自家製のピリ辛味噌をつけていただく里芋なども出していただき、なんかちょっと申し訳ない気分になっているとこへご主人が帰宅。
 ラーメンをオーダーしてできあがりを待っているうちに17時の訪れを告げるサイレンが辺り一帯に響き渡る。
 そしたら僕の予想に反して、結構お客さん入ってくるんだよね。
 大体みなさん作業服着ているところから、近くの工事現場で働いている人が仕事帰りに一杯ひっかけて……みたいな感じなんだと思う。
 ひょっとして寮でもあるのかな、近くに。
 まあしかし、17時からの開店にはそれなりの理由があるっつーことですね。
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 電光石火の勢いでラーメン完食。
 あれこれサイドメニュー出していただいたにもかかわらずお会計はラーメン一杯分だけだった。
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 すげえいい雰囲気のお店だったのでまた行きたい。
 ……ということでそっから引き返して帰宅したわけなんですけど、4時間かからずに100キロ走れるようになってました。
 すげえよビンディングペダル。
 食事休憩の時間を加味しても往復5時間だったから、休憩コミで15時間あれば1日で糸魚川まで走れるかもしれん、という希望的観測にオラなんだかワクワクしてきたぞー。
 気になる身体へのダメージはというと、普段のペダリングではそれほど使わない筋肉のみなさまがそろって悲鳴を上げております。
 なかでもヒップアップに必要不可欠とされている大臀筋。
 コイツがマジでヤバい。
 ちょー痛い。
 まーたくさん走って筋肉つければ解消できる問題なんですけどね。
 ついでに小尻にもなるし一石二鳥じゃねえか。
 ──帰宅してお風呂に入り、さあちょっとゆっくりしましょうか思っているところに友人から「自転車の整備やってるんだけどチェーンカッター持ってない?」と電話があり。
 持ってますんでいいっすよ今からお伺いしますーと、環八走って目黒通りまで進み、多摩川の土手沿いに建つ友人宅まで。
 Cannondaleのどでかいマウンテンバイクが2台あり、休日は奥さんと子供を連れてサイクリングにいくのだという話を聞いてちょっとうらやましかった。
 ……などというイベントもあったため、結局1日トータル120キロ超走って2218キロカロリー消費。
 ちなみに体内の脂肪を1キロ減らすには7000キロカロリー分の有酸素運動が必要なのだそうですよ。
 巷にはびこるマユツバダイエット法の「ラクに痩せられる」なんてうたい文句をうのみにするヤツは、マルチに引っかかる資質十分だと自覚したほうがいいよっ。

読売。

 巷で「読後の不快感度ナンバーワン」と評判のジャック・ケッチャム『隣の家の少女(原題:The Girl Next Door)』に手を出したところ、これが想像をはるかに超える胸くそ悪い話でいまものすごく後悔してます、はい。

あらすじ:1958年の夏。当時、12歳のわたし(デイヴィッド)は、隣の家に引っ越して来た美しい少女メグと出会い、一瞬にして、心を奪われる。メグと妹のスーザンは両親を交通事故で亡くし、隣のルース・チャンドラーに引き取られて来たのだった。隣家の少女に心躍らせるわたしはある日、ルースが姉妹を折檻している場面に出会いショックを受けるが、ただ傍観しているだけだった。ルースの虐待は日に日にひどくなり、やがてメグは地下室に監禁されさらに残酷な暴行を―。キングが絶賛する伝説の名作。(「BOOK」データベースより)

 不快感を覚えつつも、なんだかんだで最後までこの本を読んだ僕はデイヴィッドと同罪なのではないかという気がして、ただいま自己嫌悪の海を漂流中。
 読むだけで罪を背負ってしまうという全く以てオススメできない1冊ですが、もし興味ありましたら秋の夜長にどうぞ。
 隣の家の少女 (Amazon)
 でもほんとに最悪だからねっ。
 ──読後の嫌な気持ちを払拭すべく、夕方ちょろっと自転車漕いできました。
 ビンディングペダルでの登坂力を試したかったので、とりあえずどっかに坂ないかなあと検討していたところ、よみうりランド前の道ががなかなかの急こう配だったことを思い出す。
 普通に歩いて登っても息切れするくらいキツかった記憶あるけど、今の僕はビンディングペダル装着してんだぜ、超余裕じゃね?
 と、高をくくってましたが、実際走ってみると結構……というかかなりキツい。
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 ノンストップでゲート前まで到達したけど、マジで心臓破れるかと思いました。
 日没早いから閉園も早いです。
 ちなみに自宅から往復23キロ弱。
 信号待ちの停車時間を含めても1時間かからずに往復できて、なおかつ程よい坂もあるので日々の運動にはちょうどいいかもしれませんな。
 あと年内なんとかバンジーもいっときたいです。