攻防。

 久しぶりに事故相手の保険屋から連絡あったよ!
 話を要約すると「治療6ヶ月継続してまだ痛み続くようなら、それはもう治らないってことで障害者になる申請をして、そのぶんたっぷり慰謝料もらっちゃいなよ!」みたいな感じ。
 でも僕がリサーチしたところによると、ここで治療打ち切って後遺症の認定を申請しても、過去の例からしてまず認められない、らしいです。
 保険屋はあの手この手で僕を懐柔して治療打ち切りを認めさせたうえで→後遺症の認定申請→認められない→残念でしたねでも治療打ち切った時点までの慰謝料しか払えませんよ! だって治療完了を被害者自身が認めてますもん! ……って流れを目指しているわけっすね。
 このトラップに後々泣かされちゃう事故被害者すげえ多いみたいですが、僕は冷静に治療継続を主張。実際、少しずつではありますが確実にケガの状態は快方へと向かっているという実感がありますし。
 ってゆーか、 事故から一度も顔を合わさず、二ヶ月に一回電話で連絡よこす程度のくせに「あなたのお身体を心配しているからこそのご提案です!」とかね、しらじらしいにもほどがあるっつーの。
 まあだんだん慰謝料やら休業補償やらの金額がデカくなってきて、なんだかんだで若干ビビってる部分もなきにしもあらずなんだけど、でもね、僕はなにひとつ不当な要求、してませんからね。法律や判例にのっとって自分の権利をめいっぱい主張しているだけで。結果としてデローザどころかベンツ買えるくらいの請求になっちゃったとしてもそれは僕のせいじゃないし。
 そんなわけで保険屋があれやこれやとトークで攻勢かけてくるので「話を聞いてる暇ないしいちいち覚えてらんないから、要点まとめたものを書面でFAXしてください」ってお願いしたの。
 そしたらなんつったと思います?
「社内のセキュリティー保全や情報漏洩防止の観点からFAXは使えません!」
 ですってよ。
 わけわかんねー。
 いやわけわかりすぎて笑みがこぼれるわ。つまり要するに、電話口で僕に対してああだこうだと言ってることのほとんどがウソデタラメだから具体的な証拠残っちゃうとマズいってことなんでしょうよ話こじれて裁判になったときに。
 情報漏洩防止の観点からFAXは使えませんってw
 広井王子の言い訳以上に苦しい言い訳だろ。
 だけど僕もいい大人です。
 無粋な突っ込みはせず「FAXだめなら郵送でお願いします」とだけ伝えて電話を切りました。
 書面の到着、とても楽しみです!

目撃。

 片側二車線の道路を自転車で走ってたんだけど、僕のすぐ前を原付が走ってて、さらにその先の路肩にトラックが停車してたんですよね。
 あー、路駐のトラックうぜえな車道側に膨らむの怖えし面倒くせえんだよなあ、なんてことを考えたいたところ、どうしちゃったんでしょうね、僕の前方を走ってた原付がいきなりトラックの左後部に特攻を仕掛け、盛大な破壊音とともに原付を運転していた女の子が道路に吹っ飛ばされてしまいました。
 すげえびっくりしたよ。
 そして一部始終を真後ろから事細かに目撃していたはずなのに、あまりに突然すぎたからなのか、それとも意識がトラックにばかり向いていたせいなのか子細の記憶があいまいで、後から警察に事情を尋ねられてもうまく答えられなかったというね、なんとも情けない話しなんですけど。
 ちなみに後日、調書作成のためのお呼び出しがかかるかもしれないそうです。

皮算。

 お嫁さんが交通事故の慰謝料を当て込んで、本格的にハワイや温泉など……と露骨に思案している。
 しかも、である。旅行だけでなく、どうやらロードレーサーも買うつもりらしい。またいいタイミングでデローザがフルカーボン完成車をアンダー30万円で出してくるって。やれやれ。と村上春樹っぽくため息つきたくなるのも仕方ないってもんです。
 さらにリアルタイム、いままさにの話しなんだけど、お嫁さんが実家のご両親と電話で「どこ行きたいの? え、グアム? お父さん飛行機苦手じゃなかったっけ?」みたいなことをいってやがる。へぇぇ、ご両親帯同でグアムですか。ダンナの慰謝料で。やれやれだぜ。と、空条承太郎っぽくため息つきたくなるのも仕方ないってもんです。
 まあなんかそんな感じです今日の所は。