テレ東の土曜スペシャル『冬の風物詩 日本の里 ふるさと再発見』で、ドン小西さんと永島敏行が訪れていた長野県の遠山郷にすげえ心惹かれました。是非いってみたい!
遠山郷は大分県出身の僕が震え上がるほどのハードな秘境です。卑怯なくらい秘境、なんちゃって。くそっ、僕がもう20段階くらいイケメン度高かったらあるいは……。
交通アクセス不便だから秘境、というのももちろんあるけど、エリアに漂う雰囲気全体がなんかちょっとおかしいのだよ。日本だけど日本じゃないみたい。沖縄の海を見て「うわ日本じゃないみたい」と思うのとはまた別の感じで。確実に異界の空気が濃厚に立ちこめてた。それもそのはず。住民いわく、遠山郷は日本のありとあらゆる神々が集う場所なのだそうだ。
なにが目的で集うのかというと、これがどうやら風呂らしい。八百万の神々が年に1度、ひとっ風呂浴びるために遠山郷に集結するんだって。だからこの地には神社の境内でお湯を沸かして神々をもてなす『霜月まつり』なるものが伝承されているんだそうな。
旧暦10月に出雲大社でどんちゃん騒ぎをした神さまたちが、それぞれの本拠地に戻る前に遠山郷に寄り道する……みたいなイメージなのかな? フジロックの帰りに伊香保でひとっ風呂浴びる我々とそう変わんねえなぁ神様も。
で、神々が風呂に入るために集う霜月まつりは、宮崎駿作品『千と千尋の神隠し』のモデルになってるんだって。ソースは遠山郷のサイト。ちなみに千尋の家族がうっかり入り込んじゃったトンネルっぽい場所もあるみたいっすよ。
遠山郷は日本最大級の断層系である中央構造線上に位置している、というのも興味深い。パワースポットとしてのレベルは伊勢神宮や諏訪大社と並列だ。おまけに日本初の隕石クレーターもある。大地から吹きだすエナジーのみならず、宇宙からの強烈なデンパもがっちり受信できそうではないか。
隕石との関連性があるのかどうかはわかんないけど、霜月まつりでは《七曜九曜 お星はのこらず方へまいらせる それきこしめせ ヤンヤーハーハ》という神楽歌もうたいながら芒星の軌跡を描くステップを湯釜の周りで踏むそうな。ロマンチック! 僕の中の乙女要素がキュンキュンなるわ!
まあそのようなオカルト要素ももちろんいいのだけれど、やはり僕としては自転車での激走を楽しみたいわけでして。「日本のチロル」と呼ばれる遠山郷・下栗の里の、この九十九折りの坂を登ってみたいのです。チロルというだけあって、なんだかジロ・デ・イタリアの山岳ステージみたいっしょ。すげえキツそうだよ。写真見ただけでハァハァしてくるわ。
もちろん遠山郷までの道のりも自走するつもり。
甲州街道で諏訪湖の手前、中央本線・茅野駅付近までいって、そこから杖突街道→秋葉街道→遠山郷で約290km。越えなきゃならない峠はまいどおなじみの大垂水に笹子トンネル、生でダラダラ殺される富士見峠、そして茅野駅から先にある杖突峠、分杭峠、地蔵峠の合計6つ。
富士見峠までは走ったことあるからキツさをイメージできるけど、以降の三峠はまったくの未知数。ただ標高を確認して杖突峠1,247m、分杭峠1,424m、地蔵峠1,314mという超絶マゾ仕様だということだけはよくわかったよ。
茅野駅から先にはコンビニがほとんど存在しない(らしい)のも重要なポイントね。さすが秘境へと至る道なだけある。集落と集落の間も相当離れているから、補給には相当気を使わないと遭難しちゃうぞ、と。
現状1日で走りきるのはちょっと難しいかな、という予感もヒシヒシだけど、そこは冬季にしっかりトレーニング積んで不安要素を払拭しつつ、盛夏直前、夏至のころにでもチャレンジしたいと思います。